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3DCADソフトのブラジャー設計への活用 6

シルバーウイークの疲れか?今週は40度近い熱に悩まされました。皆さん今週はお疲れ様です。




前回は「スプライン曲線」の話でした。
 この曲線はコンピュータが自動的なように描くので自分のラインにこだわり、きれいな線を描きたい人には不向きです。

 どんなラインでも1発で思うとおりの線を描いてしまえるような人は少なく、たいていは描いては消して修正し、引きなおすと言うのが普通の製図作業、製図だけでなくイラストを描く時の操作になると思いますが、このスプライン曲線はその修正も大変です。
 曲率の大きなカーブの場合はなるべくうまくその曲率に添えるようにポイントを沢山打っているので微妙な修正が難しいと言えます。そのために「点群修正」と「点修正」との別のモードがあり、複数の点をまとめて滑らかそうに修正するとか、1点だけの位置を修正できるとかの機能がありますが、この操作に熱心になり過ぎると線全体に目が行かなくなり、全体としてギクシャクとした線になってしまうことも多いようです。


 さてそうしたことを頭に置きつつ今回は「ベジエ(ベジェ)曲線」です。
 YouTube動画のように端点や中間点にハンドル、てこと呼ばれる線分が表示されるのでこのハンドル端を操作して曲率やカーブ度合いを調整しながら描線してゆきます。
 中間点は何個でも取ることが出来ますがなるべく少ないほうがスムースなカーブが描け、筆者の場合、ブラジャーパターンの各辺はたいてい始点と終点との2点でカーブラインを表現するようにしています。

 動画を見ても分かるように各点位置でのカーブ線とハンドル線分との関係は「接線」状態になっており、ラ・セレスのランジェリーセミナーで解説している描線の留意点の考えとも合致していて筆者としてはランジェリーに限らず、アパレルパターンメーキングにはベジエ曲線による描線法を採用しているCADソフトを使用するのが良いと考えております。


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3DCADソフトのブラジャー設計への活用 5

洪水に続いて大きな地震。世の中だんだん怖い時代になって来ました。

             


 「アパレルCADの特徴は自由曲線が多用される点」だと記述しましたが、これからがやっとこれまで色々うるさいことを言ってきたCADの問題点についての話になります。

 自由曲線を使うのがアパレルCADの特徴であるのであれば、どれだけ「自由に」、「思い通りに」ラインが引けるかがCADソフトの選定基準になるはずですよね。ところがアパレルCADソフトの中にはけしからん事に「オペレーター」ではなく「コンピューター」が勝手に線を描いてしまうソフトがあるんです。

 こうしたロジックで描かれるラインは「スプライン曲線」と呼ばれ、オペレーターが任意に点を取ると、2点程度ではコンピュータの方ではオペレーターがどんな線をこれから描こうと思っているのかがまだ分からないので、2点を直線で結んだようなラインを描線しますが、3点目で「これは直線じゃなくてカーブだな」と分かると急にこれら3点をスムースに結ぶ曲線を描き始めます。4点目を取るとさらに情報が増えますから4点を結ぶさらに複雑な曲線を描き始めるということになります。
 You Tubeの動画をご覧ください。クリックするごとに曲線がプクっと膨れ、曲線が描かれて行くのが分かります。でもこれはあなたの想う「自由曲線」ではありませんよね。

 このようにスプライン曲線はオペレーターの想う通りのラインがほとんどの場合描けないんです。「コンピューターが描いてくれるんだから細かい事言わなくとも、楽で良いじゃないか」と考える人もいるかもしれませんが、パターンナーと言う職種の人は「私のこのライン」と言うほど微妙な線の流れにこだわっているはずですし、現実にブラジャーのパターンなど10cm以内の短いラインの流れで商品価値を云々するものでは、この描線の論理が気に食わないと思いませんか?


3DCADソフトのブラジャー設計への活用 4

9月5日夜にNHKTVで放映されたタモリ氏司会の「NHKスペシャル 巨大災害」をご覧になった方も多いと思います。筆者も今までは恥ずかしながら自分の事と真剣には捕らえていなかったのですが、昨今のこれまでに経験しなかった竜巻、豪雨などが身近に頻発すると本当に怖い時代になって来たと思わずにはおられませんでした。

   CADの描線



 これまで色々と社内でのCAD取り扱い体制について苦言を書いてきましたが、実はそんなことはどうでも良い、余計なお世話な話しで、かえって非効率な体制にしてもらったいた方がそんな体制をとっていない会社が逆に浮き上がれるので指摘せずに黙っていた方が良かった事かもしれません。

 筆者がCADについてこのブログで一番お話したい事というのは「製図線の描き方」が気に食わないという事です。


 元に戻って考えるとCADとはコンピューターに助けてもらいながら行うデザイン、設計ですから、これをもっとも活用しやすい分野は機械、建設、建築、機器設計などハード(硬い)な製品を設計する部署です。我々、服飾関係で生活している者はCADと聞くとすぐに服飾パターン用を想起しますが、世の中でCADと言えば前述のハードな業界で使うそれであって、そのために服飾関係で使うCADはわざわざ「アパレルCAD」という呼び方で区別しています。

 何が大きく違うのかといえば、筆者の感想では「曲線を多用するか、しないか」にあるように感じています。一般的なCADの中で例えば有名な「AUTODESK」社の「AutoCAD」などハードな商品を設計するに良く使われるソフトは「直線による描線」を基本としています。そのために最初にスタートの1点を取り、それと結ぶべく相手となる点を取ろうとマウスを動かすと自動的に水平になるライン位置はここだよ、垂直となる位置はここだよとガイド線が出て来るようになっているソフトが多いです。これは角度が90度である長方形、正方形の描画が基本になっていると言う証拠です。こうしたハードな商品の設計でも曲線(カーブ)も出て来ますがそれらはたいていは正円(コンパスで描いた円の一部)で「面取り」などと呼ばれ、その曲率を指定して描くため正円でないと描きにくくなっています。

 そして我らが「アパレルCAD」の方は「自由曲線による描線」が基本です。コンパスで描いたようなきれいな円の一部でパターン線を構成していることはめったにありません。そうなると上述の一般的なCADソフトでは服飾パターンメーキングでは使えない、または非常に使いにくいと言うことになるでしょう。


またまた次回に続きます。


3DCADソフトのブラジャー設計への活用 3

やっと9月に入りましたね。バンザイ! 張り切って制作に励もうと思います。

   CAD作業中


 CADの話の続きです。

 ところがパターンメーキング現場の現実はCADオペレーター専任者という人でも扱いきれない難題というものも数多く出てきます。担当のCADオペレーターの習熟度にもよるでしょうが、例えば「同じ辺の中で縫い代量を連続的に変化させたい」、「他社から送られてきたファイル形式の不明なデータファイルを開きたい」、「平面にダーツを生成する」などというとなかなか技術レベルが高くなり、手描きトレーシングペーパー上では簡単に出来るのにパソコンを使ってやれと言われるととても難しいという課題がいろいろ現れて来ます。
 そうなるといよいよCAD専任者の必要性が高まり、パターンナーとCADオペレーターとの分業化が進むことになってしまいます。

 でもいったい何の目的でCADを導入したのでしょうか?決して安くは無いとっても面白い「おもちゃ」ですから、例えば作業が早く間違いなく大量に処理出来るだろうというのが当初の狙いだったはず。ところが現実はハードルが高いためなかなか元が取れていないどころか、損失が出ている事も多いのではないでしょうか?

 だいたい、CAD操作を練習するために業務時間外ならともかく、時間内に給料をもらいながら練習してるなんて非効率の極みだとは思いませんか?パターンナーは自分の武器とするパターン技能を時間内に練習することはありません。入社前に練習してきた技術を持って戦っているはずです。CADを導入するとメーカーからヘルプデスクなるものを教えられ、何でも分からない事があったら電話してくださいと親切に言われるのですが、操作が分からない度ごとに、なかなか繋がらない電話をかけ、長々と丁寧に指導を受けてるなんて。それでも足りずに定期的に操作セミナー出席なんてどういうつもりで導入しているんでしょうか?

 一方でその武器を受け取ったオペレーターが自分の技術の範囲内で操作してしまうのですから、いくら技術の高いパターンナーのパターンだとしてもそれを扱うオペレーターのCADソフト操作能力に無理やり合わされてしまうのです。

 さらに大量生産が華やかだった30年、40年前頃や超巨大アパレルSPAならば能率優先と言う考え方も誤りとは必ずしも言えませんが、多品種少量の追求が専らである現代においては、これって何とももったいなく、非効率なことと思いませんか?
大多数のアパレル企業が少量をいかにして作るか?を課題としている世の流れから言えばCADの新モデル導入に走るのではなく手描きのCADでは追いつけない微妙で繊細なラインによる手描きパターンメーキングを追求したら新しいビジネスモデルになるのではと思うのですがいかがでしょうか?


それでも現実は各社、毎日毎日このCAD操作作業が絶え間なく行われているのです。

まだCADの話が続きます。


ラ・セレスは新フェーズに突入!

ランジェリーメゾン ラ・セレス


 2015年前半、数多くのランジェリークリエイターさん、クリエイター志望の方々と一緒にランジェリーについて考え、創り、学ばせていただいた筆者のランジェリーメゾン 「ラ・セレス」ですが、9月に入った今日から、2015年後半からはこれまで皆さんに教えていただいたものづくりに対する熱意をエネルギーに、「オリジナル・ランジェリーの創作」というメゾンをスタートさせた時の原点に戻って更なるトライアルを重ねて行こうと思います。

 世の中の経済動向も危なっかしく、景気が良い、良くなると言う人もいるし、悪いと言う人もいます。確かにランジェリー業界においては快調に飛ばしている企業、ブランドは少数派のようです。でも私たちのメゾンの目標は売上げではありません。

 「最高の」ランジェリーを創り続けることです。最高のとは?世界の多くの人に感動を与えられるマスターピースのことです。

今後の メゾン ドゥ ランジェリー ラ・セレス の活動にどうぞご期待ください。


この「ランジェリークリエイターのためのブログ」はまだまだ継続して続けて参ります。


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