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ボディ補修記録簿 4

暖かくなって来ましたが、ボディの補修もいよいよ最後の仕上げ段階までやって来ました。
某かつての大手量販店の指定ボディ


ジェッソを2回くらい塗っただけでは破れ部分に貼った布地の段差が目立つので、ここで原液のままの濃い目のジェッソで段差部にヘラで塗りつけてカバーします。このあたりは盛り塗りが出来るジェッソの強みです。
やや余分目に塗りつけておいて盛りすぎてしまった箇所は乾いてから削り落とすようにしてきれいなボディラインに仕上げて行きます。
        
        盛り塗り


そしてさらに仕上げのジェッソ塗りを満足の行くまで塗り重ね、仕上げて行きます。
これでボディ本体のほうはきれいになりました。
塗り終わったので最初に取り外した金具類を取り付けますが、これもやや光沢が鈍くなっているので研磨剤で磨いて輝きを取り戻します。

            金属磨き


完成しました。満足度はかなりのものです。マットな仕上り、ザラっとした質感が非常に良い感じです。これでまだ当分は現役として働いてもらえそうです。

                  補修が完成したボディ


日頃お世話になっているボディを可愛がりましょう!
  La CeRES


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ブラジャーの基礎 43

ジェッソが乾くまでの間、元に戻ってブラジャーのパターンの話です。
さあそろそろブラジャーの原型とはどういうものであるべきかの結論に話を進めたいと思います。

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 田中千代先生は「新田中千代服飾事典」の「原型」の項においてさらに次のようなすばらしい見解を述べられています。


 「原型を作るためには人体測定を元に立体的な人体を平面に置き換える、それは人体の表皮をはがしてそのまま展開したような形であって、このゆとりのまったく無い展開図が本当の意味の原型なのである。」

 まさにその通りだと思います。ファンデーションメーカーで育った方々ならばきっとその通りと思われることでしょう。

 ただ、田中先生の場合このような理論のみにこだわるにとどまらず、さらに次のような分かりやすい解説を加えられているのがとても納得できる点と感じました。すなわち

 「しかし一般に衣服には空間というものを必要とする場合が普通であるため、体寸法に適度なゆるみを加えて作図したものを原型と言い慣わしている。つまり原型には人体を正確にコピーした本当の意味での原型と、製作の便宜上ゆとりを加えた基礎型紙とも言うべき原型の2種が考えられる。」


 このように解説していただくと現状において「原型」という言葉が広く使われていますが、下着業界に住む者にとっては非常に安心した感覚に浸れたと感じるのは筆者だけでしょうか。



 これでほぼお分かりのことと思いますが、ブラジャーの原型は明らかに前者のゆとりを付ける前の人体そのものを元にした製図であり、それは人体(ボディ)の展開図である と捉えて良いということになるでしょう。


 ところが大筋ではこの解説に納得同意しつつ、筆者のメゾンでブラジャー原型として扱っている製図はここに一味、二味の工夫を加えて原型としています。工夫が必要な理由は「ブラジャーなどのファンデーション衣服は人体にうまくフィットするのが目的なのではなく、人体を造形することによって美しいシルエットを創るため」だからです。これでお分かりでしょう。ですからより良いブラジャー、ファンデーション原型を創るためには人体計測のみで留まることなく、体質、肉質計測までも含めたトータルな人体把握が不可欠といえるのです。
 非常に難しい課題ながら、この理想に少しでも近づいて行くために私たちは原型の改良に努めて行かなければならないと言えましょう。

 

 

長々と原型論について書いて来ましたがこの話題については今回で終了とさせていただきます。




ブラジャーの原型を創りましょう!

ボディ補修記録簿 3

今の時期に思わぬ「雪」の声で、驚くやらうらやましいやら。昨日は岐阜の山奥にいたので1日ずれてたら帰れなかったかも。

某かつての大手量販店の指定ボディ


 やっと破れ部がカバーできました。さあ次に全体を塗装して仕上げて行きます。
 どんな風に仕上げようかと考えてアクリル系絵の具を使ってやれと、下地剤の「ジェッソ」を使って下地作りをしてみました。普通のジェッソを買いに行ったら「胡粉ジェッソ」というのがあるのを見つけました。
 ジェッソの中に胡粉を混ぜてあって仕上がりが一味違うらしいので今回はこちらを買って見ました。そしてもちろん色塗り用の「リキテックス」も購入。

     胡粉ジェッソとリキテックス
    向かって左側がリキテックス、右側が胡粉ジェッソ


 買ってきたジェッソを前回までに破れを補修したボディの上に刷毛で塗って行きます。ジェッソはかなり柔らかいのですがボディは表面が布地ですから少し薄めたほうが塗りやすいようです。
 そして1回塗りの写真がこれ。取りあえず下地を作らなければならないので、まだ首の所にサイズ名が薄く見えていますがこれで乾燥させます。

               塗装1回目   ジェッソ1回塗り



 2回目の塗り上げ写真がこれ。サイズ名が見えなくなりました。全体に白くなってきれいになってきました。そして胡粉混合ジェッソの効果が現れ、手触りがたまりません。
 次回には最後の仕上げとなるか。

    塗装2回目   ジェッソ2回塗り


  リキテックスで何を描こうかな?
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ボディ補修記録簿 2

今年は季節が早く進んでいるのかな?もう桜も最盛期を越してしまったようですね。

某かつての大手量販店の指定ボディ


 まず、補修がしやすいように取り付けられている金具類を取り外します。具体的には一番上部にカバーとして取り付けられている写真のカバーパーツ、そして袖口にあって腕パーツを引っ掛けられるようになっている左右の金具の3点になります。
     金具の取り外し
金具類を取り外してしまうと作業が楽になります。補修は表面生地の破れ補修から始めました。

 この破れをカバーできるような生地を探します。ここでは手持ちの綿のローン生地を使ってみました。後から思うとなるべく薄い生地を使ったほうが良いようです。薄いとまた敗れてしまいそうとか下地が透けてしまうのではないかと不安になりますが、これから話す補修法ですと厚めの生地は段差が目立ってしまうようです。


 そうした上でこの生地を適当な大きさにカットして破れ部をカバーするように貼って行きます。今回のボディの破れ部は写真の肩先のようなかなり曲率が大きな箇所ですので小さめにローン生地をカットし、貼り付けるために水糊を溶かした液に浸したカット生地をうまくボディのカーブに沿うように手で貼り付けて行きます。

    水糊でカット生地を貼って


 なかなかうまく行かないのでちょっと貼ってはだめならばやり直し、試行錯誤の作業になります。肩先は金具内に折り込むため、ハサミで生地に切れ目を入れて折り曲げておきます。

          端は切れ目を入れて折り込む

                        出来上がり

これで破れの補修は完成です。
次はボディ全体の黄ばみ、汚れの補修に取り掛かって行きます。


   ボディを何とかきれいに! 
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ボディ補修記録簿 1

4月に入り、気候も良くなってきたので長らくの間ほうりっぱなしになっていた貴重なボディの補修に取り掛かりました。

某かつての大手量販店の指定ボディ


まずはこのボディの紹介と現状の様子から。

 写真を見ていただいて古くからファンデーションに関わっておられる方なら誰でもピンと来ることでしょう。このボディは今や昔ですがかつて大手の量販店指定のボディだったんですね。
 納入メーカーはこの指定ボディを購入して自社内で商品チェックをしてからバイヤーとの商談に望むというのが決まりでした。
 そんな思い出のボディがひょんなことから筆者の手元へ迷い込んできたのです。

         懐かしく貴重なボディ

 それは懐かしいうれしいことなんですがやはり長い年月には勝てず写真でご覧のように全体の生地は黄ばみ、角部の所々にはほころびが見られて無残な姿になりつつあります。
 いくらなんでも可哀そうと補修を決意したのですが黄ばみは何とかなりそうなものの、破れは簡単に直りそうもありません。



                破れが所々にあるのが残念

 いろいろと方法を考えた挙句、一つの方向に定めて進めることにしました。うまく行くかあまり自信はありません。それでも少しはきれいになると思います。
 これはその楽しい補修過程の記録簿です。



これから数回に分けて補修記を綴ってみます。  補修するのは La CeRES

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