ブラジャーの基礎 42

ブラジャーのパターンメーキングにおいて「原型」というものをどう考えたら良いのか?田中千代先生の解説を礎に考察して参りたいと思います。

ランジェリーセミナー


 今回も前回同様 田中千代先生著の「新田中千代服飾事典」内の「原型は人間という土台に従い、より適切でより美しいデザインの服をつくるもととなり、ガイドであるということができる」という箇所を元に「ブラジャー原型」を考えてみると、アウターウエアの原型が人体と衣服との間のゆとりを配慮した時に自由な衣服表現への飛翔を果たし得たのに対して、ブラジャーなどの下着衣料は一般にはゆとり量という概念を使用しないため、上記の田中千代先生の解説とは若干異なる配慮が必要となります。
 どうして配慮が必要なのかと言えば、衣服と言うものは歴史的に見ても「美」、「着飾る」という要素が必ず存在し続けてきたし、ことに現代においては「ファッション性」と表現される感覚的要素の比重が増大しつつあるからです。


 ところがブラジャーをはじめとする下着衣料は過去から現在に至るまでの間、ずっと「人体」というものにこだわり続けて来ました。それ故に「ゆとり」という概念が発生する余地が無かったため、人体を基にしてより美しい、人体とは別物となる衣服というものへと飛び立つことが難しかったのではないでしょうか。つまり人体=ボディとは別物の新しく美しい創造物を志向するのではなく、「人体そのものが美しいのだ」という具合に内に向かって創造を進めて来たのかもしれません。

 このような仮定を可とするならば、下着衣料、ブラジャーの原型とはより深く人体=ボディそのものの美を突き詰め、ある時にはヌード状態の美しさを表現し、ある時には造形したシルエットの美しさを表現する如くの製図であり、人体とは別物の物体(アウターウエア)を具現化するための製図ではなくして、人体=ボディを直接デザインする存在物のための製図でありガイドであると言えるのではないでしょうか。

忙しすぎた年初の3ケ月が終わろうとしています。
ハードに走りすぎた嫌いのある原型論からちょっと離れて、次回からはボディ(人台)修理日記でお目にかかりたいと思っています。


原型を考えるのは面白い! La CeRES
スポンサーサイト

ブラジャーの基礎 41

服飾における原型についてさらに話を進めて行きます。

ランジェリーセミナー



「原型は人間という土台に従い、より適切でより美しいデザインの服をつくるもととなり、ガイドであるということができる」(田中千代先生著 新田中千代服飾事典)


前回の解説をさらに推し進めた形になっているこの文章では、原型は人体という原点からスタートして「より適切でより美しいデザイン」をつくるために存在するものであると言っておられます。
つまりスタートが人体であるというは納得してもらったにしても、それを基にしてより良いデザインを作るためのものが原型であるのだと。

ですからいつまででも人体に固執し続けるのではなく、目標はより良いデザインの衣服を作ることであるから、「人体、体型からの脱離」が適当なタイミングで必要であるということなのだと思います。

問題となるのは「いつが適当なタイミングであるのか?」ということですが、この観点からアウターウエアで一般的に採用されている様々な「原型」を眺めてみるとどれも今回の解説文の趣旨を活かしていると感じます。
上記の「人体からの脱離」については具体的には「人体と衣服間に存在するゆとりへの配慮」が大きなポイントです。つまりアウターウエアの原型作成過程においては「ゆとり量を適切に設定」することによって人体の形状や寸法といった物理的側面から離脱し、独立した存在としての「衣服」というものの主として視覚的な存在美とでもいうべきものを演出せんがためのトライアルを行ない始めるということになるのでしょう。
そしてその努力が結実化し、具体化したものが(アウターウエアの)「原型」となっていると言えるのではないでしょうか。


それではインナーウエア、下着衣料の原型はどうでしょう。インナーウエア、下着衣料もいろいろな種類があって一まとめにその原型の性格について論じることはできませんが、ここではこのブログの主題である「ブラジャー衣料」の原型についての考察を次回から申し述べて行きたいと思います。


    一緒に原型を考えましょう! 
La CeRES

ブラジャーの基礎 40

「服飾における原型とは・・・」 それでは衣服のパターンメーキング分野における「原型」というものについて話を進めて参りましょう。

ランジェリーセミナー


田中千代先生はこのように解説しておられます。

 「服飾における原型とは人体と言うオリジナルなものについて、それをコピーしたもととなる型のものの事を指す。従って原型はあくまでも具体的な人間と言うものが存在して初めて考えられるものであって、空想的に作られるものでは決して無い」(新田中千代服飾事典)

 後半部分は特に際立って印象的な文章になっています。
「人間、人体」こそがあらゆる衣服原型のスタート地点であって、無状態から衣服の外形を作り出すことは無意味であるということです。現代において人体を無視して衣服パターンを作ると言うことはまず無いでしょうが、その意識の程度レベルの面ではどうでしょう。

 ことにわれわれが扱う下着類ではその対象となる人体の存在が極めて大きな存在になるのにもかかわらず、相変わらず見た目の装飾性やファンデーション下着類の造形機能力に甘えた小手先の商品開発や販促ばかりが目に付く現状にはとても残念に思います。
 そしてそれらの結果が下着業界全体の業績状況、世界のなかの日本下着の評価に影響を与えているのではと思わざるを得ません。


 みんなで原型を考えましょう! 
 La CeRES


3月度東京ランジェリーセミナーのご案内

3月度東京ランジェリーセミナーの概要をご案内させていただきます。
セミナーの様子


3月度東京ランジェリーセミナーは終了いたしました

今回の内容はブラジャーパターンメーキングの総集編のため、
これまでに弊社主催の「ブラジャーパターンメーキング エレメンタリーコース」及び「同 セカンダリーコース」を受講済みの方、もしくはブラジャーパタンナーとしてご活動中の方に対象を絞らせていただいております。

                記

「ブラジャーのパターンメーキング シニア(応用)コース」セミナー

   内容:基礎としてのエレメンタリー及びセカンダリーコースに引き続き、
       基本的ブラジャーパターンメーキングについての応用パターン
       を解説して、ブラジャーパターンの基礎を完結解説する総集編です。

       ワイヤーブラジャー、ロングブラジャー、三角ブラジャー、
       角型ブラジャーの機能解説とパターン展開操作実習で、
       全種類のブラジャーパターンについての理解度が深まります。

   開催日時:2015年3月16日(月)  13時~17時

   開催場所:東京中央区立産業会館にて
           (都営浅草線東日本橋駅から徒歩5分程度、他3駅)



 このセミナーについてのお問い合わせ、お申し込み等は06-6305-0686 
   または info@laceres.com  株式会社L.C.L.ホールディングス 石井宛にどうぞ

新展開

超忙しかった1,2月!
やっと何とか商品を揃えることができました。
ショップオープン


 昨年末のクリスマス頃から企画がスタートして、正月休み返上でファーストサンプルをつくり、2月中のオープンに向けて何とかデリバリーすることが出来ました。

 先週その売り場を見てきたのですが、う~ん。やっぱり東京!筆者の年齢では斬新過ぎてこんな企画のプロデュースはとても想像がつかない!新しい、新しい感覚ですね。

 そんな興奮を覚えながら見慣れた3階へ。3階も混雑していてお客さんは多い。さすが東京!でも今回は他ランジェリーメーカーの人と見学に行ったのですが、その人が言うには売り場が狭くなってきたみたい。


 ランジェリー業界もブレークスルーが必要なのか?


思わず見入るショーウインド



ブラジャーの基礎 39

「原型」とは・・・
1.「製作物のもとの型」
2.「オリジナルなものがあり、それをコピーしてつくり上げる場合に土台となるものを原型という」
3.「オリジナルなものが無い場合は原型というものは考えられず、その必要も無い」
    田中千代先生著 「新・田中千代 服飾事典」より

オリジナルランジェリー創り


1.と2.とについては前回のブログで想うところを解説いたしました。

それでは3.「オリジナルなものが無い場合は原型というものは考えられず、その必要も無い」という箇所はどうでしょうか。

これは非常に深い意味を持った一文です。

 つまり私たちがまったくオリジナルで自然な発想によるランジェリーを創作できた場合には「原型」と言うものは無く、またその必要も無いと説いておられます。
この点もまたずっと衣服のパターンメーキングを行ってきた人にとっては奇妙に聞こえるかもしれません。

  しかし先回のブログでも記したように、ここで取り上げている「原型」とはパターンメーキングにおける「原型」と言うよりも、製作物一般の「原型」、つまりお手本のようなものの事なのです。
 そうした意味を頭に置いた上でもう一度上記3.の文章を読んでみると、確かにオリジナル性が非常に高いということは取りも直さず前例が無いということですから、「原型(前例)」が不要であると言う解説は十分に納得できることでしょう。


 次回からはこれまで取り上げてきた「製作物一般における原型」から「衣服のパターンメーキングにおける原型」に視点を転換し、言葉として使い慣れている「衣服原型」について考えて行きたいと思います。


原型について考えましょう  La CeRES



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。