FC2ブログ

ブラジャーの基礎 29

皮膚についての話がかなり長くなってしまいましたが、最後がこの「運動対応器官としての機能」です。

皮膚とは不思議なもの


 昔から衣服のパターン設計について良く言われてきたことですが「最も理想的な衣服は皮膚である。人間のありとあらゆる運動にもぴったりフィットしながらシワも無く追随できるのだから」という話があります。

 確かに皮膚は非常に良く出来た「衣服的な被覆物」とは思いますが、ここで考えなければならないことは「一般の衣服を構成している材料は通常の場合は平面である生地類であるけれど、皮膚も同じく平面状のシートなの?」と言う点です。
 ためしに自分の手の甲の皮膚をつまんで引っ張ってみましょう。そんなに伸びますか?ブラジャーの後身に良く使われているパワーネット生地に比べてみてどちらが伸びますか?
 明らかにパワーネット生地のほうが良く伸び、また、良く縮みます。つまり皮膚は四方八方に非常に良く伸び縮みする魔法のシートではないのです。

 それならばなぜダーツも無いのにバストの球形状にもうまくフィットし、四肢の自由な動きにも巧みに対応出来るのでしょうか?それは「皮膚が生きている」からだと思います。

 ブラジャーに限らず衣服を設計するときは、特に下着を設計するときに忘れてはならないことは、それを着せ付ける対象は人台のように物体ではなく、生きている人間なのだと言うことを忘れてはなりません。だからこそ例えばその一部である皮膚は息をし、痛みや接触感などの微妙な感覚を捕らえられているのです。

 そしてその形状においても、単なるシートではなく、表面積がたくさん必要な場所では細胞が増殖して広い面積に変化し、縮まることを必要とされる部位は増殖しないという営みが小さい頃から継続的に行われてきているのです。
 逆に見ると以前は良く動かして細胞が増殖してくれた部位では、動かさなくなるとシワという形で現れると言うことになります。

 その点から言えば、皮膚の全体形状のイメージは平面のシートによって組み上げられた宇宙服のようなものというよりも、フルファッション編み機でシームレスに立体的に編み上げられた成形ニットボディウエアのようなものと考えて良いでしょう。

 でも、私たちは平面の生地を使って衣服を創る場合がほとんどだと思います。それを皮膚のように立体的に人体を覆い、保護し、感覚を活かしながら呼吸して行くものに創りかえるためには「パターンメーキングの力」が欠かせないのです。
このように皮膚と言うものは衣服設計においては体の表面としてしか捉えられていない場合が多いようですが、特に皮膚に直接、長時間接する下着衣料を考える際には非常に多くの要素について配慮することが必要だと言うことを分かっていただきたいと思います。

次回は話題が変わって脂肪の話です。ご期待ください。


   パターンの難しさ、奥の深さに悩んでいます  
La CeRES


スポンサーサイト

極小ロットのブラジャー、ショーツ生産、サンプル作成を承ります

 このランジェリーブログで名前を知って頂いている「ラ・セレス」ですが、最近になって特に少量のランジェリー生産についてのお問い合わせが増えてきました。そこで私たちの業務の一端をここでお知らせ致します。

都会の中でミシンを動かします


これまでの大量生産の考え方や方法では良質のランジェリーは創れません!
その理由は明白です。

  ・自分でオリジナル・ランジェリー・ブランドを立ち上げたい方。
  ・極小ロットの下着生産をしたい方。
  ・ブラジャー、ショーツのサンプル作成を依頼したい方。
  ・ブラジャー、ショーツ他下着類のパターン作成を依頼したい方は

ラ・セレスに一度ご相談ください。
場所は新大阪の街中ですが、現在では東京、横浜など関東のお客様が多い状況です。

最近はいろいろと変わった要望の商品が多く、これまで通りの作り方では処理できないクォリティの高い依頼が多いため多少お時間を頂いておりますが、他社では出来ない新しいランジェリー創り技術への挑戦心で小回りの利くオリジナル・ランジェリー・メイキングが可能です。

新しいランジェリークリエイションにはこれから何が最も重要でしょうか?
ものづくりは 「企画」-「生産」-「販売」が三つの柱となりますが、最大の障壁は「生産」です。
生産が出来なければ企画など絵に描いた餅、販売は商材が無ければ売り上げを作れません。
現在でも下着生産はどんどん行われているのになぜ出来ない?と思われた方、「下着は大量生産を前提にしないと成り立たない業界」だからです。そのために、これまでにない斬新な商品を、工夫して、販売計画量にマッチした数だけ・・等という要望を受けることが出来ないのです。
今後の最大の課題である「生産」に、ラ・セレス は新しい視点でメスを入れております。


ランジェリーのクリエイション、プロダクションなどについてお困り、お悩みの皆様、   info@laceres.com   へお声をおかけください。

 ただし、現在、ただでさえ海外での生産がしづらくなっている現状がありますため、日本の工場へ生産を回帰する流れが加速しております。企画が短サイクル化し、商品サンプルの重要性が増している状況は良く理解しておりますが、お受けする順番待ちのお時間が必要です。あらかじめご了解ください。

ブラジャーの基礎 28

5月も後半に入って暑いと感じられる日も多くなってきました。今週はランジェリー個別相談会を開催するので準備で明後日から横浜に出発します。ご質問の回答が遅れることをお許しください。

        痛い!


 皮膚は「感覚器官としての機能」を持たされていると言うことについては納得できると思いますが、本当の感覚器官とは神経であって、その神経が皮膚下に張り巡らされていることによるものです。

 ブラジャーをはじめとするファンデーション衣料というものはもともとが体を補整する=体に圧力を加える=締め付けるために考案された衣料ですから、この皮膚の感覚器官としての機能とはどうやって仲良くなるのかが永遠のテーマになります。

 仲良くしようとなるべく邪魔しないようにソフトに接すれば効果が無いし、効果重視でアタックすれば悲鳴を上げられると言うことになります。これだけの話だとどうして良いのかまったく分からなくなってしまうのですが、次のことを考えると少しずつ道が見えてきます。


1. 感覚を生じる神経は皮膚の内部にあり、直接、刺激物に触れるわけではない。

2. 刺激物と神経の間には時として「パッド(クッション材)」としての脂肪層がある。

3. 人体は基本的には柔らかいが、骨は硬い


 つまり、‘うまく’ファンデーション衣料を人体上に配置することが出来ればその刺激量はかなり少なくすることも可能なのです。具体的には「場所を選ぶ」と言うことになりますね。
 その昔は写真のように、シルエットのためには骨が折れても締め上げると言うことがあったらしいですが、今では痛くなくきれいなシルエットにするには・・と言う考え方にはなっています。でも・・。


  自分のデザインしたランジェリーを販売したい方は La CeRES へ

あなたのランジェリーを創る

あなたのイメージしたランジェリーを商品にしてみませんか?


              創作品ブラジャー


ランジェリーにすごく興味を持っているあなた。
そのイメージを作品として具体化することはとても難しくて出来ない事と思っていませんか?
もしかしたらあなたの頭の中で眠っている新しいランジェリーは、世の中の皆が待ち望んでいるものかも知れませんよ!

さあ、元気を出してあなたの考え上げたランジェリーを実現して、発表してみましょう!
ブラジャー、ショーツ、ランジェリー・スリップ、コントロールボトム etc.

そんな想いのあなたのために来る5月22日木曜日 横浜地区で
商品化の実現のためのご相談を無料でお受けいたします。
横浜近辺でランジェリー大好きの方、ぜひこの機会をお見逃し無く!
La CeRESがあなたのオリジナルランジェリー制作のお手伝いをいたします。

ご参加にはご予約が必要です。


お問い合わせ、お申し込みは  info@laceres.com  へどうぞ。


5/20 横浜でのランジェリー商品化相談会は定員に達しましたので、応募を終了いたしました。
ご連絡が遅くなったため、満員後にお問い合わせいただきました方々にお詫び申し上げます。
次の開催をお待ちくださいますようお願い申し上げます。



ブラジャーの基礎 27

今年の連休はかなり気候も良かったようです。5月になるとちょっと暑いと感じる日もありますね。

   下着は人間の皮膚からの分泌・排泄を助けます


 今回は「分泌、排泄器官としての機能」と言う話です。

 先回でも触れたように、下着全般において関係することと言えば「汗」との関係です。人間の皮膚は常に外気と体内との間に立ってその調和に鋭意努めています。人間は恒温動物で体温を36度程度に保ちながら生きている、逆に言えば保てなければ生きられない生物ですから、体温を保つと言うことは非常に重要な機能です。重要な機能ですがそれを果たすのはかなり難しいとも感じるでしょう。

 人間はとても弱い生物だと感じることが良くあります。日本でも四季があり、冬は気温が摂氏0度、真夏では40度近くになることがありますがこの40度程度のすき間の中で何とか生きています。でも、沸騰した水は100度、極寒の極地では気温はマイナス何十度にもなるでしょうからどちらにしても生きてはいられません。
温度以外にも人間は他の生物に比べてもとても弱弱しい生物だと感じられる点がありますが、そのような耐力の弱い生物を補ってくれているもののひとつが衣服だと言えるでしょう。
 中でも下着類はその機能において極めて強力であり、重要なアイテムであるはずです。

 このような人間の生存の根源に関わる衣服を経済的視点とは別に、熱心に研究する機関が少なく、さらにどんどん減少しているのはどういう訳でしょうか?日本では高齢化が急速に進み、医学面や福祉面での早急な整備・対応が声高に叫ばれていますが、人間の構造から見ればもっと自然な方法で補える部分があるように感じます。

 そしてそのひとつのきっかけは人間の皮膚表面における分泌・排泄作用にあると考えます。


  あなたもランジェリーのレッスンに来られませんか? 
        La CeRES で開催中です。

ブラジャーの基礎 26

5月に入りました。
あっという間に少し汗ばむ季節に変わりました。そうなると下着の出番も多くなってきます。


     息苦しくない皮膚へ


 前回で解説したように、皮膚下に貯めた脂肪層により人間の体としての皮膚表面は骨などのような硬い箇所だけを表出するゴツゴツとしたものでなく、その間に存在する脂肪層の埋め立て効果により全体として滑らかな曲面を表出していますが、この脂肪層は貯蔵庫としての機能だけでなく外界の環境から身を守る防御服としても機能していると書きました。

 他人の肌面を触ってみると「冷たい」と感じる場合と「暖かい」と感じる場合がありますね。それはその人の体内の体温が低いまたは高いと言うことよりも、体温と外気温との差でそのように感じるのだと思います。
 つまり脂肪層が厚い部位は体温の体外面への移行を妨げる能力が高いので、外気温が高い場合(暖かい時期)では冷たく感じると言うわけです。
 このように皮膚は温度の伝導率が低く、恒温生物である人間の生命を守ると言う重要な機能を持っています。前述のようにそのほとんどが脂肪層からなっているバスト部は断熱効果も大きく、たいていはバスト部は冷たく感じるのが一般的です。

 ですからこうした大切な機能をつねに行使している肌面に常に接している下着衣料はその機能を妨げないように、またはさらにその機能を助長出来るように働くことが望まれるはずです。その点から言うと「発熱肌着」というものはどうなのでしょうか?


 次に項目として挙げられている「分泌、排泄器官としての機能」と同様、人間の皮膚においては「自然に」これらの機能を行える状態を維持することが最良のように筆者は考えます。
 ブラジャーの場合で言えば「自然な通気性」と言うことが肌面の機能を妨げないと言うことでしょうし、例えば肌面に当たる箇所を吸水性ある素材を使用するように配慮するなどと言うことは肌面の機能を助長すると言うことになるのでしょう。

 ところがこうした試みは昔から各社様々な方法で販促されていますが、あまり決定的な仕様というのは出現していないように思われます。


 デザインと呼ばれる意匠面でクリエイションを重ねる努力も大切ですが、この肌面との関係において新しいクリエイションを加えた商品開発ができたらと筆者は感じております。
 


    下着は夏をむねとすべしMaison de LINGERIE La CeRES


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。