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ブラジャーの基礎 14

骨(骨格)の話はその機能の3番目の話に入ります。
引き続き骨格図を見ながら読んでください。
出典は前回と同じく「被服のための人間因子」間壁治子先生著



        女性の骨格


 さて③の「運動機能」です。
 ただ、骨自体は運動することはなく、骨に付いた筋肉が骨、骨たちを動かすという事になります。つまり間接的に‘動かされている’状態ですが骨自体が硬く、それらが①で述べたように体の支持機能により骨を取り巻く肉類が一緒に動くため、全体として運動機能を果たしているのだとも看做すことができます。

 こうした働きによって衣服にはどういう影響が現われるのでしょうか?

 「折り曲げ」、「引っ張り」などが浮かびますが、逆の視点で見ると人体も衣服から運動動作について大きな抵抗を受けているとも言えます。もうすぐ ソチ オリンピックが始まりますが、スポーツウエアの分野でよく聞かれるように衣服を改良することによって動作が改善され、動きやすくなった、スピードが増した、タイムが向上したなどの効果が見られる場合もあります。

 このようなやや特別な例は除いても、私たちの日常動作といわれる「歩く」「立つ」「座る」「物を取る」「階段を上る」などの簡単な運動でさえ衣服と人体とは影響を受け与えているのですが、それを完全に解決しているとは言えない状況です。

 その証としてあなたの近くで動作をしている人の着ている服の状況を見てください。吊革につかまっている人の袖や前を歩く人のパンツにはシワが発生していると思います。
 その位・・と思われるかもしれませんが、後ほど話題にする人間の皮膚はほとんどシワが生じていません。その差は何?についてはまた別の機会に。

 そして衣服類の中でも私たちの扱う下着衣料は体に密着している(フィットしている)状態で着用するため、「融通が効きにくい」状況にあると言えます。そのため運動についてはアウターウエア以上にパターンの技術が必要であるのにもかかわらず、逆に簡素化してしまっているのはどういう訳でしょうか?


 私たちはもっと運動動作について研究して行く必要があるように反省を込めて感じております。


 次回はこの骨と下着の関係についてです。
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ブラジャーの基礎 13

 骨(骨格)の話を続けます。場違いの印象を受けるかもしれませんが、この関所を乗り越えないと衣服の原型とは何か?という場所にたどり着けません。

          骨格
上の骨格図と見比べながら読んでください。この図は今回だけでなく、今後の骨格の話にすべて参照してください。
出典「被服のための人間因子」間壁治子先生著




 前回の、骨(骨格)の主な機能のうち
   ①の「人体の支持機能」と②の「人体の保護機能」とに絞って考えた時、


①「人体の支持機能」については衣服設計の主要ポイントとなる基準点の相対的位置関係が「ほぼ」骨格により決められてしまっている と言う重要な点があります。

 例えばよく衣服製図で使用されるショルダーポイント、ネックポイントなどと言った採寸基準点は骨の突起部を定点として使用されますから、絶対的な位置が決まって来ます。さらに肩巾などの寸法は左右のショルダーポイント間の長さとなりますから、骨上のポイント間同士の長さは相対的位置、すなわち距離も定められることになります。

 このように骨格は人体のサイズは様々とはなるものの、‘人間の大まかな形状やそれらの寸法をある程度の範囲で決定している’と言えます。



② 「人体の保護機能」では先に挙げた内臓保護機能が主要な注目事項になります。と言うのも人体の多くの臓器類が上半身部分に集中し、そのためもあってそれらを保護するため人体の上半身は多数の肋骨により楕円型断面の「カゴ状に」形成されていると言う事実です。

 この点により特にブラジャーの場合について言えば‘アンダーバスト寸法こそが確固たる個体のサイズを設計するに信用可能な数値である’という設計に対する基本的考え方が導かれています。

 本来は人体の内臓保護と言う大切な機能のために発達した肋骨ですが、人間がブラジャーを着用するようになってからはその着用時の確固たる基礎としても重視される骨群となりました。



   続きは次回です。




1月度 東京ランジェリーセミナー

寒い風が強い中、それでも天気は快晴!
2014年に入って初めての新春ランジェリーセミナーを開催しました。
        日本橋公会堂



新しい年を迎えた1月の東京ランジェリーセミナーを
   2014年1月19日の日曜日  水天宮様近くの日本橋公会堂で開催しました。

 今回のテーマはブラジャーパターンメーキングの基礎と応用、そして人気のあるランジェリー商品化セミナーの3テーマを午後1時から8時30分まで解説しました。
 日曜日は都合の良い方が多いようで、ご参加いただきました方々には厚く御礼申し上げます。


 残念な話ですが、2月度の東京ランジェリーセミナーは中止に決定しました。
理由は大阪の方で数量の多い仕事が飛び込んだためです。

 3月は開催できると思いますので、しばらくお待ちいただきますようお願いいたします。



    ランジェリーセミナーは
 La CeRES の主催する唯一のセミナーです


ブラジャーの基礎12

ボディについて

 これまでブラジャーに関係するボディのサイズ(寸法)のことについて色々なことを記してきましたが、今回からはその流れでもう少しボディ(人体)のことについて考えてみたいと思います。


          骨格のような灯篭


 そのスタートとして「骨(骨格)」というものについて考えてみたいと思います。
 人間もそうですが動物というものは不思議なもので、この「骨」が構造体になっていてその生命体を維持するという仕組みになっています。写真の灯篭に衣服を着せたのが人間なのかもしれません。という事は、もしわれわれの体から骨を抜き取ってしまったらクラゲのような状態になってしまうのかもしれませんね。

 「骨」の働きとしては造血機能もあると聞きましたが、そのような医学的な面は置いておいてブラジャーに関係する方面で考えて行くと、ネット上の‘gooヘルスケア’を参照させていただくと

① 身体の支柱となる支持作用
② 内臓を保護する保護作用
③ 筋肉により運動を行う運動作用
の3点が関係しているように思います。

 ① の支持作用とブラジャーの関係では、骨格は人体の支柱となることで数多くの骨同士の相対的位置関係を決めていることになりますから、ブラジャーを着衣する胸部付近の形状やある程度の大きさもほぼ決まっているということになり、そうした前提によりブラジャーパターンの原型というか元として利用できるパターンがほぼ設定できるという理屈になります。

 ② の保護作用で思い当たるのは、重要な臓器が集まっている体幹部を保護している肋骨です。これはカゴ状の形状をして内臓を保護していますが、この形状の骨格が存在していることによりブラジャーを適切な着用位置に固定出来るという効果が出てきます。

 ③ の運動作用については良く理解できると思いますが、様々な人間の動作が骨と筋肉の働きでなされていることにより、ブラジャーをはじめ衣服に様々な影響を加え、その解決のために運動を考慮した、より良いパターンの完成に向け、私たちが日々苦労しているという現状につながっています。

続きは次回に・・・


  ブラジャーパターンで苦労する
La CeRES


新年のご挨拶

新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

 今年はどんな良いことが待っているのでしょうか?それをあれこれ考えるだけでワクワクしてしまいます。
 あなたも、これまでなかなか実現できなかったオリジナルランジェリーが具現化できて、永年の想いがかなってしまうかも知れませんよ!


          迎春


 2014年初めての題として「人間」という話題を取り上げてみたいと思います。

 なぜそんな話題になってしまうの?と疑問に思う方もおられるかも知れませんが、下着は「INTIMATE(親密な) APPAREL」と呼ばれるように、人間の体に対して非常に近しい関係の立場にいる衣料だからです。人間は生物の中で唯一、衣服を常時着用している生物です。従って衣服は程度の差こそあれ、人間の第二の皮膚のように、人間の体、特に表面となる皮膚面は捉えている傾向があります。そのためにその期待に応えるように、特に下着は考えられなければなりません。
 ランジェリー(下着)クリエイションの主役は、クリエイターというよりも「人間」そのものなのです。

 このように話を進めてくると「なるほど」と思っていただける方々も多いことと思いますが、実際はそのようにはうまく行かないのが現実の姿なのです。

 その要因の一つの大きなものは「人間の不合理性」というものがあります。

 様々な現象がありますが、一例としてこのブログの主題のブラジャーアイテムに関係することを挙げてみましょう。
 ある時、以前から継続して製造しているブラジャーのカップ部の一部において使用していたミシンの機種を変更したことがありました。もちろん仕上り寸法は同一に管理しています。ところが販売するとすぐ店頭から、お客様が以前と着用感が少し違うと言う話しが出ていますと言う情報が入ってきました。このようにほんの僅かな変更でも人間の体は微妙にそれを察知するのです。

 一方、こういう話もあります。店頭で採寸してあげて「お客様にピッタリのサイズは○○サイズですからこの商品を一度お着けになってみてください」と話を始めたところ、「もっと小さいサイズのほうが私にピッタリ」と言われて採寸サイズよりずっと小さいサイズを購入されたお客様。

 どちらも現実です。この例は二人の別の人の話ですが、一人の同じ人でも部位や時間や環境によって敏感だったり鈍感だったりします。こうした場合理論と言うものは余り通用しません。
 そして、どうしたら良いかを解決する有効な方法はまず無いでしょう。

 今年一年のクリエイションをスタートするに当って頭においておくべきことは

パターンを決まり通りに引いて商品を設計するのではなく、私たちは‘人の気持ちを設計’しているのだ」と考えることです。

そしてその事こそが「デザインする」事になるのです。


     La CeRESの
新春ランジェリーセミナーは1月19日(日)です。
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