出張

夏の海岸



ファンデーションの縫製工場さんを訪問しました。

 ずいぶん久しぶりです。工場さんは私の事務所から遠い所が多いので、よほどのきっかけが無いと腰が上がりません。
 今回の目的は、現在進行中の新製品の本番生産をお願いするためです。常に大資本で大量の商品を生産依頼している企業ならともかく、私のような「自分の気に入った商品だけをほんの少量だけ作ってもらいたい」と言う希望を聞いていただける工場さんは少ないです。
 その意味からも何とかお助け願いたいと言う気持ちで訪問させて頂きました。

 結果として、条件付きのOKをいただけました。簡単な条件でもありませんが話を聞いていただけるだけでもありがたいので、私の企画にとって大きな前進になりました。


 下着業界は全体から見るとあまり良い話は聞かないのですが、ここの工場さんは以前寄せて頂いたときと同様、とても活気があります。
 自動車産業や電気産業と違っ繊維産業のものづくりはやはり人手によるところが大きいです。そのため会社に活気があると言うことは、社員の人の気持ちに活気がある、と言うことは良い(きれいな)商品が縫い上がるという図式になりますから、工場に活気があると言うことは技術力が高いと言うことと密接な関係があるはずです。

  もう少したつとその商品が発売になります。
 La CeRES
スポンサーサイト

ブラジャーの縫製4

前回、「カップ渡り」縫い工程の縫い方のうち1種類のものを紹介しましたが、今回はもう一つ別の縫い方を紹介します。

            縫代開き倒し


写真を見てください。

 写真の中央部にタテに線状のようなものが見えますが、これが「カップ渡り」の接ぎ部です。写真を大きくして良く見ると3本の線から成っていることが分かりますね。この仕様をカップ渡りの「開き」仕様と言います。
 3本のうち真ん中の線が「接ぎ線」と呼ばれる生地と生地とのつなぎ合わせ端の線です。
 そしてこの「接ぎ線」を中心に両側に線がありますが、これらがミシンで縫代を押えている本縫い(直線縫い)ミシンの縫い目になります。

 つまり、2枚の生地を縫い合わせると縫代部も2枚出来ることになりますが、その2枚をまとめて同じ方向に倒して押えたのが前回の「片倒し」仕様と言う仕上げ方で、一方、2枚の縫代をそれぞれ別の方向に倒して押えたのが今回の「開き」仕様という事になります。

 それぞれの使い分けは?というと、「片倒し」仕様は片っ方にのみ倒しますから、縫代を押えるのは片側のみの1回で済みますが、「開き」仕様の場合はそれぞれに押えますから2回縫わなくてはなりません。
 でも仕上がりから見ると、「片倒し」は縫代部が2枚重なりますから厚くなり、「開き」仕様は1枚ですから薄く仕上がります。

 ここまでで気が付くと思いますが、「開き」仕様は手がかかるけどきれいに仕上がるのです。
 そしてどちらの仕様にしても「カップ渡り縫い」は商品を見た時に一番目立つ箇所なので、縫い目もきれいに仕上げなければ商品全体の価値が下がってしまいます。


 あなたも店頭でブラジャー商品を見る時、ブラジャーの縫い方がうまい工場か下手な工場か見分けなければならない時には「カップ渡り縫い」をチェックすればすぐに分かってしまいます。

ブラジャーの縫製3

カップの内側に付くパッドが出来上がったら、表側に来る表カップの縫製にかかります。
ブラジャーの中で一番目立つ、いわば「顔」となる部分ですから慎重に!丁寧に!そしてきれいに!

        縫代片倒し



ブラジャーの表カップ、そして表カップの中央に位置する「カップ渡り縫い」は非常に大事な縫製工程です。

 まず、一番目立つ箇所ですからここがきれいに仕上がっていないと作品としての、そして商品としての価値が下がってしまいます。

 また、カップ渡り縫いはブラジャーのカップ部分の機能を発揮するための「ダーツ」を作り上げ、カップの容量を決めていると言う着用上で非常に重要な工程でもありますので、ここの縫い方がいい加減ですと着用感が設計どおりにならないと言う大きな欠点が生じてしまいます。

 このようにとても重要な部位である「カップ渡り縫い」ですが、今回の写真はその縫い方の一つである「縫代片倒し」仕様の例です。



次回はもう一つの仕様を紹介して2つの仕様を比較してみようと思います。



                     オリジナル・ランジェリー創りのLa CeRES

ブラジャーの縫製2

そうして、このようにパッドが縫い上がりました。

         ブラジャーパッド


 前回でパッド縫い工程の加工方法の説明をしましたが、今回のこの写真を見てください。
このように、厚みのあるパッド(不織布)が接ぎ合わされました。
 
 写真の手前側に白く丸みを帯びて見えているものがパッドです。中央やや右側に上下方向に筋が見えますが、ここが2枚のパッド同士を接ぎ合わせたラインになります。ここを良く見ると半透明のような帯が見えますよね。これが接ぎ目隠しのカットテープです。

 さらにその半透明のテープの上に、ジグザグ形状のミシンステッチが見えると思いますが、これが「スリーミシン」と呼ばれる、ブラジャーやファンデーション商品には良く使われるミシン機種による縫い目です。

 このようにして、ブラジャーの裏カップとしてのパッドは出来上がって行きます。




 余談ですが、この「スリーミシン」は業種によって、会社によって、人によって色々な呼び方がされるミシンです。例えば「3点千鳥ミシン」と呼ぶ人がいると思えば、「4点千鳥ミシン」と呼ぶ人もいます。
 会社内では通じるかもしれませんが、他社と話す時、転職した時などには大いに迷わされる困ったミシンです。

           
オリジナル・ランジェリー・クリエイション・メゾン  La CeRES

ブラジャーの縫製1

やっとブラジャーの縫製にかかれます。最初の作業は?

            パッド縫い



ブラジャーの縫製はたくさんの作業からなっています。そのそれぞれの作業を「工程」と呼びます。

 それでは最初の工程は? と言うと、いろいろなやり方をする会社、個人の方がおられますがブラジャーのカップの裏側(肌側)に付く「パッド」を加工する工程からスタートする場合が多いようです。「パッド縫い」と言う工程名になります。

 「パッド」の素材は不織布と呼ばれるポリエステル糸を細かくカットして固めた「綿(わた)」の表面を肌触りの良い生地で糊付け(ボンディング加工)したものです。


 工程の作業内容は、この不織布を縫い合わせるということなのですが、不織布は3mm~5mm程度の厚みがあるため普通の布のように「縫代をとって」と言うことが出来ません。
 どうするのかと言うと 「突合せ縫い」 と言うことを行います。

 これは生地端同士を互いに密着させながらミシンで縫い合わせるというやり方です。ただ密着させて縫っただけではカップの様に立体にしたときに「目をむく」というか合わせ目が離れてきれいに仕上がりませんので、縫い合わせ目の上にテープを重ねて縫い、「合わせ目隠し」を同時に行っています。

写真はその加工の工程を行っているところです。

 文章だととっても複雑そうで良く分からないかもしれませんが実際やってみると案外かんたんできれいに出来ます。そして家庭用のミシンでも出来ないことはありません。



要はうまく出来た時の仕上がりの状態と工程の目的とがはっきりと分かっているかどうかです。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。