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パターンメーキング実習2・・・製図用具の説明1

前回説明しました中の4つの用具について説明して行きます。



まず、8.分度器です。分度器そのものがどういうものかは分かっていただけると思いますが、使っていただきたいのはなるべく大型のもので、下辺の長さが18cm程度以上のものを推薦します。
大きい文房具店であれば、一番大きい分度器は下辺が18cmのものが置いてあると思います。
使用用途はパーツ同士の角あわせ角度のチェックやその修正に使います。

分度器



次に9.曲線定規です。ルーラーとも言います。言っておきながら恐縮ですが、最初のうちは不要です。この定規の使用用途はパターン内の曲線を効率的に引くためのものですが、最初はフリーハンドでこれを行ってもらうため不要です。
しばらくパターン作業をして慣れてからは定規があったほうが早く作業が進みますが、最初のうちは曲線の流れというものを覚えてもらいますから、かえって定規を使うと曲線の流れが分からなくなってしまいます。

 私の使用している曲線定規の写真を掲載しています。使い倒しているため余りきれいでなくてすみません。上側にメジャーを置いて大体の長さが分かるようにしていますが、40cmくらいの定規です。左右に小さい円状のカーブがありますが、この辺のカーブ部は私はほとんど使いません。
使っているのはメジャーに面した長く、ゆるやかな曲線部です。短く、曲率の大きい線はフリーハンドで描いたほうがきれいな線が描けます。

曲線定規



続きの用具の説明は次回でs。
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パターンメーキング実習1・・・製図用具

パターンメーキング作業を始めるに当たって、まず必要なのは製図用具です。
ブラジャーの製図とは言っても特殊な用具はそれほど必要ありません。
以下のリストを参考にご覧ください。


1.製図用机、椅子
2.照明器具
3.トレーシングペーパー   A3サイズ程度の大きさ
4.文鎮     トレーシングペーパーを固定してズレを防ぎます
5.鉛筆       3H以上の硬めのもの
6.消しゴム
7.直線定規      30cm以上の長さのもの
8.分度器      18cm以上のものが望ましい
9.曲線定規(ルーラー)
10.メジャー(曲線測定具)
11.ボディ(人台)
12.ハサミ      なるべく大き目の紙切り用ハサミ
13.メンディングテープ     15mm巾以上のもの
14.コンパス      大きめなもののほうが使いやすい




ざっと見て、大体分かっていただける用具だと思います。
やや、引っかかるのは8.分度器、9.曲線定規、10.メジャー、11.ボディなどでは
ないでしょうか。



次回から、この4点について少し詳しく説明してみます。

「創作」と「生産」

 3月は少し調子に乗りすぎて先走りしてしまった感がありますね。ここで一息入れるというか、私たちの足元を見直して見ます。



 ブラジャー以外の衣服、そして衣服以外の例えば自動車とか、電気製品とか、文房具とかその他いろいろなこの世の中にある人間に作られたもの達の「作り上げられ方」についてここで考えて見ましょう。

 普通、例えば自動車はトヨタとか日産とか名の通った自動車メーカーから買うという考え方が一般的ですが、「いや、絶対、世界に一台しかない自分だけのオリジナルカーを作って乗り回したい」という人も世の中にはいます。そういう人たちは、自分である程度技術を持っている人は自分で設計図を引いたり、エンジンを買ってきて組み立てるような事もするでしょうし、そこまでしなくともオリジナルカー生産を請け負ってくれるメーカーに相談、交渉して出来るだけ自分のイメージに近い車を目指すという人もいることでしょう。

 つまりこの世の中で作られるもの達には2つの方向があって、自動車の例で言えば一つは主要自動車メーカーから車種やカラーを選んで買う方法、もう一つは自分だけを目指して手作りをしたり、そこまでいかなくてもデザイン、設計からオーダーしてゆく方法です。

 前者の方法は、試乗車やカタログなどがあって車の内容が具体的に分かるし、第一、大量生産品ですから安く買うことが出来ます。それに対して後者は、何もないところからスタートするので最終どのような車になるのかは出来てみないと分からないし、オーダーですから値段もかなり高くなるでしょう。でも「自分だけの」という所は前者にない大きな魅力ですし、うまく行けば自分の体型にあったシートや自分の運転技術に応じた運動性能を得られ、それはこの上ない満足感を生むことになるでしょう。

 もう分かりましたね。私達がこのブログで目指しているのは後者の「オーダー・カー」なのです。一枚あるいは数枚くらいしか作りませんから製作単価としては高くつきます。費用がかかるのが嫌であれば百貨店や専門店で大量生産商品を買っていただければよいのです。下着類は今ではとにかく価格競争で、安い商品が海外仕入れでこれでもかというほど輸入されていますから選ぶのには困らないと思います。

 でも、このブログはそれではダメだと気づき始めた方のものです。特に値段の安い大量生産商品はその実態をあまり知らないほうが幸せと思います。一方で、比較的高い商品も高い割には「自分だけ」感を味あわせてもらえる商品が少ないような気がします。それらは「大量」ではないかもしれないけど、「中量生産商品」だからです。

 これらの点は、皆さん自身がどう考えるかという事であって、特に問題を感じなければお店で並んでいる商品を買っていただいた方が良いと思います。しかし、少数かもしれませんが「自分だけ」のものを求められる方は必ずおられ、今後さらに増えてゆくと考えています。それが人間の心理の当然の動きですから。

 何度も言いますがそうした方々のためのこのブログです。ですから前回の「グレーディング」作業の解説は必要がないので取り上げません。

 長々と書きましたが、このブログで取り上げてゆくのは「ブラジャーの創作」であって、一方、お店で買うのは「(大量)生産されたブラジャー」です。この2つは商品企画のスタートからデザインの仕方、パターンの引き方、作り方などお互いに全く異なります。その違いを頭に置きながら今後の制作を進めて行きましょう。

パターンメーキングやソーイングに使われる主な基本用語

パターンメーキング作業に少しでも経験のある方ならばもうご存知な用語かもしれませんが、
初めての方に向けて主な基本用語について簡単にご説明しておきます。



1.サイズ・・・本来は(衣服の)大きさのことで、着用する人の体の寸法を測り、その寸法に応じてパターンを作成してゆくと言うのが衣服づくりの基本ですが、現在では既製服が一般的になってしまったため、普通「サイズ」と言うと「Mサイズ」とか「B70サイズ」とか規格化された呼び名に使っていることが多いように思います。
しかしながら、私たちのように自由にものづくりをしてゆこうという者にとっては、サイズと言うのはあくまでも着用する人の体の寸法であると捕らえるべきです。そしてその寸法に従ってパターンメーキングを行ってゆくのが基本です。
最初からちょっと分かりにくいかもしれませんが段々分かっていただけると思います。

2.原型・・・新たにパターンを作成するための源となる製図(パターン)のことで、お習字のお手本のようなものと考えると分かりやすいと思います。

3.原型の展開・・・その原型はあくまでもお手本なので、それを使って、自分の考えたデザインになるよう変形したり、使う材料によってその材料に合うように変形したり、最初に作ったパターンがうまく行かなかった時に修正したりなど、原型に手を加えてゆくことを展開と呼びます。

4.型紙・・・型紙とは作成したパターンに「縫代」(下記)を加えて、紙のシート状にしたものを言います。パターンは通常、トレーシングペーパーなど薄い紙に描いてゆきますし、そのパターンは後々まで残しておかなければなりませんから、パターン作業の次の段階としてのソーイング作業前に生地をパターン通りに切る(裁断)作業をする際には、別のしっかりとした紙にパターンを写しとっておくことが必要になります。この写し取った紙のシートが型紙と呼ばれるものです。
型紙には下記の「縫代」が付けられています。

5.縫代・・・型紙に従って裁断された生地同士を縫い合わせる作業がソーイング作業と言うわけですが、その縫い合わせる箇所には縫代と呼ばれる生地端の余分分が無ければ縫い合わせることは出来ません。
通常その余分分の量(縫代量)はパターン端と平行に5mmから10mmくらいの例が下着類では多いです。縫代量はその縫い箇所に使うミシンの種類や工場の縫い方などによって決まりますが、最初のうちは一般的な縫代量で進めてゆきます。

6.仕様書・・・仕様書とは、作成するものの作り方が他の人にもそれを読んだら分かるように書いた書類です。
 最低必要な内容としては、①縫い方、②使用する材料の種類と使用部位の明示、③そしてどの位の寸法に仕上げるかを表す仕上り寸法がポイントになります。

7.フィティング・・・出来上がったものを実際に人に着用してチェックすることです。インナーウエア関係、特ブラジャーなどのファンデーション類のものづくりにおいてはフィティングチェックは欠かせない重要な工程です。ファンデーション類などは体の寸法よりも少し小さめに作り、それを伸ばして着用するような設計をするのが基本であるため、「きつい」とか「ゆる過ぎ」などの感覚的評価が非常に大切になります。そして、それらの判断はなかなか計算では出しにくいため一度出来上がったサンプルを実際に着用してもらい、デザイン上のチェック(見栄えや全体のバランスは良いか?)と共に様々な部位の着用感のチェックをします。

8.ファーストパターンとマスターパターン・・・原型を使ってそれを展開し、最初に創り上げたパターンがファーストパターンです。1回で良いものが出来上がれば良いのですが、なかなかそうは問屋が卸してくれません。何度か作り直してこれならば大丈夫という所まで到達したパターンがマスターパターンで、それはそれまでの技術の集積されたものですからとても大切なパターンになります。

9.グレーディング・・・このブログでは取り上げませんが、用語解説だけしておきます。先に書いたように企業の中でパターンメーキングをしている場合は、完成したマスターパターンがあるだけでは商売になりません。お各様には色々な体型、寸法の方がおられますから、「すべての」お客様向けと言うわけには行かないものの、なるべく多くのお客様の体型に合うようにマスターパターンを大きくしたり、小さくしたりしていろいろな大きさのパターンを準備し、それらを生産します。
 どれくらいの数のパターンを用意するかはその商品の性格に応じて各企業で決めてゆきます。そしてどのくらいの寸法でパターンを大きくしたり小さくしたりするの?という質問には企業ごとの秘密(ノウハウ)で一言では言えません。各企業ごとに寸法を内部で決めています。
 この、マスターパターンを大きくしたり、小さくしたりする作業を「グレーディング」作業と言います。



パターンメーキングとソーイング作業の大まかなステップ

前回の各下着の注意事項を頭に置きながら制作を具体化して行きます。




最初に作業のステップについて記しておきましょう。
下表をご覧ください。

ただし、このステップ表はあくまでも基本的な流れを表したものですから、現実に制作が
スタートしたら、なかなかこの表どおりのステップを踏んで進めるということは難しい場合も多々ありますことを了解しておいてください。


1.制作する作品の「サイズ」規格の設定と「サイズ」寸法内容の確認

2.使用する「原型」の選定

3.その「原型」の「展開」

4.ファーストパターンの完成

5.ファーストサンプル用の「型紙」と「仕様書」との作成

6.ファーストサンプルのソーイング作業

7.デザインと「フィティング」のチェック
(3から7までを、思い通りのものが出来るまで繰り返し)

8.マスターパターンの完成

9.最終サンプルの完成



企画段階の作業ステップとしては、ここで自分の満足の行く作品が完成したという
ことになるのでこれで終了ですが、企業に入ってのものづくりとなるとこれを工場で生産し、
不特定多数のお客様に販売しなければなりませんから、9.の後にサイズグレーディング作業や工場で生産してもらうための詳しい仕様書などの作業が加わりますが、このブログでは
省略させていただきます。




また、上記の表の中で「」をした語句はまだその意味を説明をしていなかったと思いますから、次回、この言葉を含む用語解説を挟んでみたいと思います。

下着のものづくりの特徴 4 ・・・ まとめ

以上、3回に分けて3種類の下着のそれぞれのものづくりにおける特徴を記してみました。
このブログは「ランジェリークリエイター」と題しているからにはこの3種類すべてのものづくりが出来るようにならなくてはなりません。
現在は「ブラジャーのものづくり」について解説を進めていますが、他の下着類と比較してみるとより一層ブラジャーという下着の特徴が鮮明になってきます。



それでは簡単な比較表を作成してこれまでお話した3種類の下着の特徴をまとめて表してみましょう。


下着の3種類      パターンメーキングの特徴    ソーイングの特徴


ファンデーション類   体に力を加えるように      しっかり、きちんと裁断し縫う
(ブラジャーなど)


ランジェリー類      アウターのシルエットを     すっきりと仕上げる
(キャミソールなど)   考えながら


インナーウエア類    素材特性を良くつかむ     優しく、ふわっと
(肌着など)        快適にフィットするように    素材を活かして仕上げる


下着のものづくりの特徴 3 ・・・インナーウエア

インナーウエア下着とは、分かりやすく言うと「肌着」だと思ってください。最近は肌着類はしだいに需要が少なくなりつつありますが、そのものづくりのノウハウは現在でも、そしてこれからもとても大切なものであり続けています。


そのポイントは

①パターンメーキングについて

素材の性質を十分把握した上で、体に「快適にフィット」するようなパターンを作成する

 インナーウエア類に使う素材は一般にとても柔らかく、伸びも良いので融通が利きやすいと考えがちですが、他面、非常に頑固でわがままなものが多いため誤った使い方をするととんでもない結果を招くことがあります。
 ですから「素材の性質、性格を事前に十分に理解しておく」ことがとても大切です。


②ソーイングについて

体への接触感を大事にして「優しくふわっと、素材の性質を活かす」ように、なるべく縫い箇所を少なくするようにする

 ソーイングだけで解決できることではなくなります。パターンメーキングもそして商品企画のスタートから、様々な点について十分検討して進めないと良いインナーウエアのものづくりは難しいです。簡単そうに見えてインナーウエア類は難しいグループです。


 
 
 しかしながらインナーウエア類に限らず、ファンデーション類もランジェリー類もすべて、良いものづくりをするためにはある工程だけがすばらしい技術を持っているだけではだめです。企画から納品に至るまでのすべての工程で、それぞれの高い技術とノウハウが無いと良いものは出来ないと思います。

 日本はその中の重要な工程を捨ててしまいました。今となってはもう取り返すことは出来ないように思います。

下着のものづくりの特徴 2 ・・・ランジェリー

前回のファンデーション下着に続いて今回は2番目の「ランジェリー」をつくる上での特徴、注意点をお話します。




ややこしいですが、ここでの「ランジェリー」の意味はスリップ、キャミソール、ペティコートなどの、体を変形させる機能は無く、装飾的要素の強い下着類のことです。

これらの下着をつくる際のポイントは


① パターンメーキングについて
 
  その上に着る「アウターウエア」に適したシルエットを十分配慮してパターンを作成する

 アウターウエアとは着衣の一番外側になるような衣料のことで、ブラウス、セーター、スーツ、スカートなど他人の目に通常に触れる衣料です。
 ここでの「ランジェリー」はこれらアウターウエアと体との介在役になりますから、アウターウエアに良く対応したシルエットが必要になります。


② ソーイングについて

  シワなどの無理が出ないように「すきっと縫い上げる」

 一般的にランジェリー類はとても柔らかくて薄い素材で作られることが多いため、このように素材に十分配慮した丁寧な縫い上げが必要であると捉えてください。
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