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コラム ・・・ もし商品の中に針が入っていたら大変!

 素材の話の途中ですが、ワイヤーなど金属製の素材が出てきました。普通、衣料品は布で作るものと言う感じがすると思いますが、金属製の部品を布と一緒に使うと言うことは単に「硬さの違い」だけでない、大きな問題も内包しています。
 そのお話を今回ちょっとだけ。




 アパレル製品というものは重大な事故や危害を人体に与えることの比較的少ない工業製品ですが、そういう中で注意が必要なのは製造段階でミシンの針が何らかの原因で折れ、その折れた針の一部が偶然にも製品の中に混入してしまい、それがそのまま店頭で売られて、着用した消費者の肌を傷つけてしまうという事故が稀に起こることがあるということです。
 特にその商品が子供用衣料、乳幼児用衣料などという場合には単なるキズだけでは済まなくなってしまいますから、注意の上にも注意を重ねてチェックしなければなりません。

 そこで「検針機」という機械の登場です。製品が縫い上がり、最終の段階でこの機械を通せば万一小さな針の破片の一部が製品に混入していた時にでも警報で知らせてくれます。こうすれば折れ針の事故に関してはほぼ100%安心と言えるでしょう。

 ところがブラジャー製品の場合、ここで大きな問題があります。検針機は平たく言えば金属探知機で、折れた針などの金属片が製品の中に入っているかどうかを教えてくれるのですが、ブラジャーなどの場合、ワイヤーとかアジャスターとかの金属類を普通に使用しているため、安全な製品でも警報が鳴りっ放しになってしまうのです。
 その点を考慮して最近は「検針機対応」というワイヤー類も提供されるようにはなりました。このような金属素材を使っていれば、対応していない針などがあった時にのみ反応します。ただしこれらにも素材の値段が高くなってしまうという障壁があります。 

 それならば、金属探知機など使わずにミシン針が折れた時に気をつけて折れた針を取り除けば良いではないかと思われる向きもあるかもしれません。ところが折れた針はほんの数ミリほどの小さいものですし、激しく上下運動しているものが折れるのですからどこかに吹っ飛んでしまったり、ミシンの小さい隙間に隠れてしまったりと、製品の中に入ったのかそれとも入らずにどこかに行ってしまっているのかそれも分からないという場合が多くあります。
 そのため生産上では非常にロスが多いのですが、事が事故に結びつくものですので針が折れた時にはミシンをすべて止め、「折れた針を復元」することが出来るまで破片を探すという手段を採っている工場もあります。

 実際の製造現場では検針機を使う方法も、使わずに針を復元する方法もどちらも行われていますが、ブラジャーという特殊衣料を扱う上で消費者に危険を及ぼす恐れのある針折れという事態に対してはとても慎重に気をつけて対応しているのです。





<検針機ってこんな機械です>・・ベルトコンベアが見えますね。この上に調べるものを置いて真ん中の箱状の所で探知します。
検針機
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ブラジャーの素材について14・・・ボーン

「ボーン」というブラジャー用のパーツをご存知ですか?



 ボーンは付いている商品と付いていない商品とがあり、地味なパーツですが体の脇部に組み入れて補整力を高めたり、商品全体のバランスを整えたりする働きがあります。
 前章で書いた「ワイヤー」パーツと協働して、布だけでは力不足となる場合のボディ補整力をパワーアップしています。

 コルセットが盛んだった中世時代には、「ボーン」はメインあパーツであり、クジラの骨で作られていました。現在では、鉄のコイルをつぶしたような「スパイラルボーン」とプラスティック製の「プラスティックボーン」の2種類があります。ワイヤーの項でも記したように鉄製のスパイラルボーンは布の中にあって強い力を発揮して補整力に優れ、プラスティックボーンは補整力はやや劣るがタッチが柔らかいという特徴があります。
 ワイヤーもボーンも目的は布だけでは不足する場合の体側部の補整力を高める機能を持っています。つまりからだの脇部を、強く内側へ押しています。ですから昨今の補整重視の商品が中心となっている時代においては、この2つのパーツの注目度は特に高くなって来ているのです。

<スパイラル・ボーン> 金属製のコイルを平たくつぶした構造です。
スパイラルボーン


<プラスティック・ボーン>  プラスティック製でしなやかに曲がります。
プラスティックボーン

ブラジャーの素材について13・・・ワイヤー

今回からはブラジャーの「その他の素材」について解説して行きます。


1枚のブラジャーには多いもので20種類程度、少ないものでも10種類程度の素材が使われています。これまでその中で主要な素材について解説してきましたが、その他の素材もかなり種類があります。そして「その他」とは呼ばれながら、非常に重要な役割を担っている素材たちも多いのです。



今回はまず最初に「ワイヤー」素材について説明します。

 一般には「ワイヤー」という言葉からは「針金」をイメージしますね。ブラジャー業界でワイヤーと言えばカップ周りに配したバスト造形用の半円状に形状加工された鋼製パーツのことです。もうワイヤーはかなり知れ渡っていて知らない人のほうが少ないかもしれません。と言うのも現状お店で販売されているブラジャーの8~9割はこのワイヤーパーツが内蔵された「ワイヤーブラジャー」であるからです。「ワイヤーの入っていないブラジャーなんてあるの?」と聞かれることもあるくらいですから。

 「ワイヤー」素材の目的は「バストへの造形力を飛躍的に高める」という点にあります。通常アパレル製品と言うと綿とかポリエステルなどによる繊維や布で構成されているのが普通ですが、そうした製品の中に「鉄」が入っていると言うことに違和感を感じませんか?当然、違和感があり、その違和感は製品設計、パターンメーキング、資材手配そして縫製加工などいろいろな場面において特別な配慮が必要になっています。
 「繊維」「布」と言う言葉のイメージはどちらかというと「柔らかい」というイメージが強いと思いますが、その中で「鉄」という言葉のイメージは「硬い」「強い」と言うものが先立つように思います。つまり本来この2つの組み合わせは「異常な組み合わせ」なのです。そのため上記のようないろいろな配慮というものが必要とされています。
 ワイヤーについてはここではとても書ききれない重要なことがたくさんありますが、今回は省略して、その使用目的である「バスト造形力を飛躍的に高める」ために使用されるパーツだということを覚えておいてください。



<ワイヤー素材の一例>  ワイヤーには前側と脇側との向きがあります。写真のどちらが前側か分かりますか?

ワイヤー

ブラジャーの素材について12・・・ストレッチテープ4

次に「肩紐用のストレッチテープ」です。




 ②の肩紐用のストレッチテープは「若干伸びてきちっと止まる」ことが第一の目標となります。もちろん上下辺用のものと同様に伸びによる変形などはあってはならないことですが、伸びがそれほど必要ないため(伸びすぎては困るため)変形の起きるほど組織に負担がかからないので、欠点としては目立ちにくくなります。
 
 むしろ問題なのは伸び過ぎです。普通に考えて、バストを支えるためにはバストが重力によって下に垂れようとするのですから、それを逆に上方向に引っ張り上げなくてはなりません。ブラジャーは肩紐だけでこの持ち上げ力を発揮する構造ではないのですが、それでも大きな力がかかることには違いがありません。そこに伸びの良い肩紐が使われていたら全く支えになりません。

 逆に、もし全然伸びない肩紐であれば肩紐が肩に食いこみ、肩が痛くなってしまうでしょう。言葉で的確に表現するのは難しいですが「適度な伸びと伸び止まり」とが肩紐用ストレッチテープを選択する上での重要な判断基準となります。



<肩紐用ストレッチテープの一例>
肩紐用テープ







これでストレッチテープのお話は終わりです。以上の説明は簡単に過ぎて、ほんの表面を撫でただけなのですがストレッチテープばかりに時間を費やするわけには参りませんので次回からは「その他のブラジャー用資材」についてお話してまいりたいと思います。
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